2006年04月28日

研修課題です

5/5のVSRTでの研修課題をアップします。
楽しみにしております。

担当:F17 堤

スカウティングと社会性(ちーやん夜話集より抜粋)


 ある日私は、次のような手紙をある県連の人から受けとった。それは−−−要するに−−−我々スカウトは、あまりにもコチコチになり、スカウティングにこだわって、社会と隔離していると思う。それで、社会ともっと近接する教育をするため、夏の隊キャンプを隊キャンプとしないで、「夏の村」とし、村長とか村会とかをもうけ、村の自治的様式でキャンプしている。
 それがいいかどうか、意見をききたい。−−−というのである。

 私は、キャンプの仕方としては、それも一つのやり方であろう。しかし、隊キャンプをやめてまで、そんなことをするとは、外道である。スカウティングのキャンプというもの、乃至は隊キャンプ本来の性格を、もっと勉強してほしい。我々は、キャンプを、キャンプのためにするんじゃなくて、スカウティングのためにするのだから、目的と方法との関係をハッキリ究明してほしい。と答えておいた。
 そして末尾に、私は−−−「社会性などという言葉は、善行をしない者の口にすべき言葉ではない、社会性とは換言すれば、善行性であろう。我々スカウトは、コトバでモノをいわないでオコナイ(実行)でモノをいいたいと思う。少なくとも、私は、そういう人間になりたい。」と付記したのである。
 私は、このことから、「社会性」ということについて考えさせられた。そして、スカウトたちが、社会から隔離している色々のことも考えてみた。

 ある市の、社会教育課に勤めている人で、地区コミをしている人が、スカウトはあまりにも独善的で異色すぎるから、一般に普及しないのだ。よって制服を廃止し、1隊32名以下という制限もなくし、誰でも今日からリーダーになれるような、し易いものにしたならば、コドモ会などを吸収できて大きな団体になれる。三指の礼なんていう特殊なものをやめて、ふつうの礼をしたらどうだ。−−−と、いうている。というので、地区コミともあろう者が、けしからんことをいう。あの男は社教屋の立場からモノをいうクセがある。社教屋としては、BSのようなものは、一般性がないと診断するらしい。−−−など。

 これに似たりよったりの意見が、「倍加運動」という声の下から出ているらしい。要するに「スカウティングの社会性」或いは「スカウティングと社会性」という問題になる。

 本職で一人前の人生を送る上に、スカウターとして奉仕している日本の指導者は、時間的に、世間的なツキアイをなるべくやめて、スカウトのために働くのであるから、そういうイミでの社会性というものは、スカウティングに熱心になればなるほど減少する。
 少年の場合も、スカウトの訓練に時間が別にあるわけではないから、自分で時間を作らねばならない。従って、一般の学友とのツキアイは少なくなる。その上、制服というものを着るから、ホカの者からは一種特別人扱いをされる。海外にでも派遣されようものなら、英雄扱い、または名士扱いをされよう。
 結局、何か、他の人々とちがう、あるものを感じる。または、世人に感じさせる。日本人のような人の見方をする国民には、当然の現象であろう。

 以上の文章(言葉)を、くるっと裏返してみると、社会にもスカウト性がない。または足りない −−−という答えが出て来る。足りないから、我々は社会に、スカウト性を植えつける先駆者として、「敢然として頂角を行く」という、ほこり、名誉、責任、自発活動、忍従、勇気、そして特異性がもりあがり、そこに同志意識、スカウト兄弟感、仲間愛、などを含むところの運動(ムーヴメント)になってしまった。B−Pの、生まれ甲斐はここにあったし、我々の生き甲斐もここにある。

 さあ、こうなると、スカウティングの側にも、社会の側にも、「不足」がある。何の不足か−−−といえば「吟味の不足」「反省の不足」「謙虚の不足」「認識の不足」「理解の不足」−−−「協力の不足」−−−等々。
 だが、私はそれらを超えた、もっと大きな不足を叫びたい。(スカウト側の不足ですぞ!!)それは「善行の不足」である。
 これは「奉仕の不足」以上に不足している。(私には)

 B−Pの教えのように、そして、ちかい、おきてを本当に実行し、日々の善行に励むならば、誰が狂人扱いをしたり、別人扱いをしようぞ。いうところの「社会性」などというコトバは、問題にさえならなくなる。口にする必要がなくなるから。

 「行うことによって学ぶ」(Learn by doing)という、B−Pのやり方をモトにして考えるならば、我々は「行うことによって語る」のが本命であろう。しゃべったり、書いて示したりするのは「行い」の足りない証拠で、まことにはずかしい。

(昭和32年9月19日 記)

Posted by tsutsumi at 2006年04月28日 12:09
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